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毎日新聞社説 教職員会議 挙手・採決禁止は大人げない
東京都教育庁が都立高校など全263校の都立学校長に対し、「職員会議において挙手、採決などの方法を用いて職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないこと」とする異例の通知を出した。校長の管理権を強化し、教職員が学校の運営方法を話し合いで決めていくことを封じ込めるのが狙いのようだが、教育現場のあり方としてはあまりにも幼稚な発想ではないか。
「学校経営の適正化について」と題した通知は(1)校長、副校長(教頭)、主幹教諭らで構成する企画調整会議を学校経営の中枢機関とし、十分な議論を行う場とする(2)職員会議は校長の職務を補助する機関で、機能を教職員に対する報告、意見聴取、連絡に限定している−−と指摘し、「職員会議を中心とした学校運営から脱却することが不可欠」と言い切っている。
学校運営を校長ら管理職のトップダウン方式に委ね、一般の教職員が参加する職員会議には決定権を認めないという内容だ。しかし、子供たちと直接接する教職員の声が反映されない学校運営が、うまく機能するとは思えない。
職員会議は小中高の各校で、すべての教職員が参加して、学校の教育方針、教育計画から主任教諭の選任、生活指導の方法、学校行事の運営まで多岐にわたる項目を審議し、決定してきた。学校現場の運営を切り盛りする重要な役割を担ってきた。
ところが、00年に当時の文部省が出した通知は、校長のリーダーシップを強化する方針を打ち出し、職員会議について「校長が主宰し、校長に一切の処置をとる権限がある」「校長の職務の円滑な執行を補助するもの」と位置づけた。これを受け、都教育庁は01年、「(職員会議の)議決により校長の意思決定権を拘束することは認められない」と通知していた。
新たに通知した背景には、過去の通知にもかかわらず、都立高校などで職員会議がなお機能していることが挙げられる。今年1〜2月に教育庁が22校にヒアリングを行った結果、十数校が主任教諭の選任などについて職員会議で多数決で決めていたという。教育庁が業を煮やした格好だ。
学校現場で校長がリーダーシップを発揮しなければならないのは当然のことだ。だからと言って、職員会議を軽視していいことにはならない。校長が学校運営を独断で決めるのではなく、自らの判断で職員会議に諮り、場合によっては採決も行うなどして決定している学校も少なくないという。校長の裁量次第で、職員会議も上手に活用できるはずだ。わざわざ校長ら管理職と一般教職員の分断をもくろむかのような通知は理解に苦しむ。かえって校長に過大なストレスを与える可能性もある。
都では、03年に入学・卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱の徹底を求める通達を出し、これに違反したとしてこれまで延べ約340人と全国的にも突出した数の教職員が処分されている。過剰な締め付けは教育現場を萎縮(いしゅく)させ、子供たちにも悪影響を与えかねない。
毎日新聞 2006年4月15日 東京朝刊
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