アンチ「心の総動員」![]() |
教育基本法の改悪を とめよう!全国連絡会 |
トップ | あんころブログ | 資料 |
---今日はインタビューに応じてくださってありがとうございます。まあなんか、気楽な感じでお願いしま〜す。安部さんは、何年生まれですか?
安部:1977年です。
---じゃ、私の4つ上だ。
安部:4つ下? えー、それでいつから運動やってるの?
---3年前ぐらいかなぁ。それで、何月生まれですか?
安部:8月。
---うそっ!一緒だ〜。なん日?
安部:22日です。
---近い!私、20日ですよ。では好きな食べ物は?
安部:唐揚げ。実家が大分の中津ってところで、鶏が有名なんです。
---そっか。それで、大分で教員をやってたんですよね?
安部:大分で2年ちょっと、広島に行って1年半くらいかな。
---非常勤講師ですよね?どんな感じでした?
安部:そうですね。やっぱり、大分と広島の違いがすごく出てたかな・・・。大分のほうはねー、一番最初に入ったのが中学校だったんですけど、新しい先生が来たってことで子どもらも歓迎してくれて楽しかったな。でも広島は、どこの学校に行ってもきつかった。
---きついっていうのは、職員室の雰囲気とかってこと?
安部:広島で最初に入った中学校は、子どもが荒れてる学校で。広島ではそれが一般的なのかもしれないんですけど、大分の時とくらべると余裕がなくて、ああ、これは大変やなぁ、と。
---大分のほうがノビノビした感じなのかな?
安部:と言うより・・・やっぱり、大分は全員が組合員で、その影響がかなり大きいような気がする。
---どういうふうに?
安部:校長先生があんまり色々言ってこない。言ってきても・・・たとえば校長先生が誰かを呼び出して、その人に個人的になにか言ってるなっていうのが分かったら、みんなで集まって、どんな話をしたのか聞いて、こんな話だったーとか説明したら、それは言いすぎじゃない?とか、おかしいよねとか、そういう相談が職場の中であたりまえにできる。
---それは凄い。
安部:広島はまったくそういうことがなかった。広島で最初に行った学校の校長先生、管理職は、そんなにギュウギュウ締める感じじゃなかったんだけど、その次に行った小学校の先生は凄くて・・・とにかく、教員にも子どもにも、要求をいっぱいするんですよ。子どもの一日のスケジュールをみても、朝はなわとびで、それから朗読をして、先生が職員会議してる間に読書タイムが少し入って、それから授業。そのあとにも全校でとりくむ行事が週に1回は絶対でてくる。そこは全校生徒が集まるんだけど、そういう時間をひとつでもとってしまうと、低学年の子は一時間前から準備して、早くしろとかせかさないといけなくなる。
---余裕なくなるはずだよね。
安部:象徴的なのは、先生が何かいったら、絶対に子どもに「はい!」って言わせるようにしなさい、ってなってたこと。
---え、それ、校長からの指示でそうなったの?
安部:そう。校長先生が話をしてるときも、「〜です、わかりましたか?」って言ったら、子どもたちが「はいっ!」って言うようにしなさいって。
---えーっ、怖いね〜。
安部:そう。僕はそれ、怖いって思ったんですけど・・・。でも、職場に入ったら、そういうことをしなさいって言われる。とにかく返事ってのは、会話がコミュニケーションであるために重要だから、こっちが言ったことに対して向こうが反応しないと、ただの一方的な伝達になってしまうから、向こうの反応は絶対引き出すんだ、って。
---でも反応って色々あるし、無視すんのだって反応だよね? そんなん、「ハイル・ヒットラー」みたいじゃん。気持ち悪いよ。
安部:でしょ。だから、校長先生が強いと、先生も子どもも大変だなって思う。

(と、ここで注文していたスパゲティが到着。安部さんのは和風スパゲティLLサイズ)
安部:やっぱり、大分の組合がもってる数の力って大きいと思う・・・。組合にたくさん人がいるってだけで、強い。上が勝手なことできないから。
---やっぱ、こっちは権力がないわけだから、力を合わせるしかないもんね。でもさ、なんで広島に行こうと思ったの?
安部:お金がなかったから。地元をみると、もう採用の空きがないのがわかってたから、あちこち応募だして、たまたま広島で口があったから広島に行った。
---確かに広島は、辞めちゃう先生も多いって聞くな・・・
安部:僕が広島で最初に勤めたのは、心の病気で休職してる人のかわりだったし、その人は僕の期間が終わっても、結局職場に戻ってこれなかった。その次の職場も同じ。でもその辛さもわかる・・・。大分も、わりとその後を追うような感じだから、これから大変だとも思います。中休みとか昼休みとか、放課後とか、勤務時間内の休み時間に子どもとどういうふうにかかわったか、全部書類で提出させられるって学校も出てきたらしいし。
---えー、そんな時間があったら別の、もっと有意義なことができるのに。
安部:そうそう。おかしいでしょ。
---子どもとかかわるのって、自分に余裕がないとだめなのにね。
安部:けどまだ大分は、教育委員会からめちゃくちゃ降りてくる書類とか、断ってくれる管理職もおって、それで子どもと遊ぶ時間があったりもして、楽しかったなーと思う。
---大分と広島で教員をやって、やめて、今は大分に戻ってるんだよね。それはどうして?
安部:自分が持ってるのが中学の社会科の免許なんですけど、それは採用がないんですよ。だから通信教育で小学校の免許をとろうと思って。小学校だったら、入りやすくなるから。
---なるほど。いろいろ辛くても、なかなか口がなくても、教員って仕事にこだわりがあるの?
安部:そうですねぇ。ほんとにしんどいけど・・・。
---ほかの仕事じゃなくて、なんで教員なの?
安部:色々あったんだけど・・・大学で歴史学をやったから、それを生かしたいっていうのもあったし。あと、おじいちゃんが遺言で、人のためになる生き方をしなさいっていってくれて。「自分の手は何のためにあるか考えなさい」って書いてあって、何ができるのかなーって考えて・・・。学生時代にバイトをしていて、自分がこう、こまかいとこに集中するタイプだってのが分かって。たとえば山の上でバイトしたことがあるんだけど、必要ないのにめちゃくちゃ丁寧にきれーに野菜切ったりしてる自分がいて、切り方をどうするかってことですごい悩んだりして。でも、どうせ悩むなら、野菜の切り方じゃなくて子どものことで悩んだほうがいいんじゃないかと思った。他人の悩みを、一緒に悩むようなことができたらいいんじゃないかと。
---へえ・・・それは、かなり素敵なことやね。かっこいーね。
安部:そう?
---うん、いいこと聞かせてもらった。
安部:いまの教育をくるんでる雰囲気がいやなんですよね。広島ではずっと忙しかったから、学校の帰りに運転していてトラックに衝突しそうになったこともあるし、あまりにも眠くてコンビニの駐車場に停めてうとうとしてたら朝になってしまって、そのまま学校に行ったりとかしてたんだけど・・・そういうふうにしなくても、教育ってできるんじゃないかな、って思う。大分で勤めてた学校は面白かったし自由にできたから、そんなに忙しくしなくたって教育ってできるはずなのに、そうしなきゃいけないのが嫌で・・・。消化不良おこして、精神を病む人とかもいっぱいおるしね。
---そうだね。 でもさ、そこで安部さんはなんで、何とかしたいとか、何かしようとか、思うんだろ。
安部:僕はいまの自分の状況をすごくありがたいと思う。教員を経験するって、すごい大事だったんですよ。子どもたちのために、っていう視点ができるから。子どもたちのために、っていう視点で世の中を見てみたら、いまどきバリアフリーとか言ってるけど、いまの世の中って子どもに対して一番バリアが大きいんですよ。なんでも大人用でさ。公園でボール投げちゃいけませんなんて決まりがあってさ、公園でボール投げちゃいけなかったらどこで投げるのかい、って思うけど、お金出してなんかのスポーツクラブに入れる人じゃないともうボール遊びもできない。ぜんぜん子どものためのものがないじゃないですか。・・・そういう視点もって、自由な時間も持つと、いろんなことができると思う。
---そっか。いい感じやね。
安部:僕も何か始めなきゃいかんなーと思って、はじめたとこなんですよ。近い先生と相談しながらやってんですけどね、いま、北朝鮮の報道がすごい偏ってるじゃないですか。あれ、おかしいから、朝鮮総連の人を呼んで講演会をやろうと思って。で、講演会だけやっても人が集まらないから、キムチづくりの講習会もやるっていう企画なんですけどね。
---へー、面白いね。いいねー。そんなことやってみようとか思うんですね。面白そうだから私も参加したいです。すごいなー。なんでそんなことできるの?
安部:僕が平和運動にかかわりはじめたのって、9.11とかイラク戦争とかのあたりがはじめてなんだけど、最初はあまり運動する体力も気力もないのもあって、平和運動とか冷たい目で見てたとこもあるんです。でも、友達のつてで高知に行ったら、高知で出会った友達がすごい頑張ってて。それで、僕も、一人でもやんないといけないときもあるなって思って。
---そういえば、爆笑問題の太田光も、さいきん雑誌の対談で、芸能人で憲法9条が大事とか発言してるの自分だけで、孤立感かんじたりするけど、やっぱり言わなきゃとかいってた。
安部:へえ・・・。
---みんなが一緒だからできることもあるけど、一人でもがんばれる時も必要だったりするね。
安部:うん、そうそう、けっきょくみんなでやる時だって、一人ひとりの自主性でやるんだしね。平和な世の中を求めてない人なんかいないんだけど、それを言うのがすごい難しいから・・・。どうしたらいいのかもわからないし。
---そうだね。これから、どういうことをやりたい?
安部:僕は、地元の運動をしっかりやりたい。仕事がないから、ずっと今の地元にはいられないかもしれないけど、いるうちに、ここで、若い人が運動にかかわれるようなツールをつくっときたい。僕がさっきの講演会を企画したことで、年が近い人が興味もってくれるし・・・。
---確かにさ、運動って一般的にすごい年齢層たかくて、私たちみたいなのがひょこっと行くと浮いちゃうんだよね。それだと、よっぽど覚悟がなきゃ続かないもんね。
安部:いまの世の中おかしいって思ってる人は絶対いっぱいいるからね。でも、どうしていいかわかんないから。もっと入りやすい、若い人が誰でもできるようなのをつくりたい。
---それは私もそう思う。
安部:でもさー、なんで、右と左だと、左の人って常に貧乏というか、成功しないんだろうねぇ。
---私たちみたいに?
安部:はは。びんぼーだよね。少数派だし。
---でもさ、それはそもそも、私たちが、今の世の中じゃなくて別のにしたいって、今と違うのにしたいって思ってるから、いま、力を持ってるものとは違うからじゃないかな。だからこそ、お金とかじゃなくて、もっと理想とか、希望とかを大事に感じてるとこもあるやん?
安部:うんうん。
---だから、運動やるともうかるよ〜とは言えんけど、こっちのほうがかっこいーとか、人間として充実してるとかは言えるよね。
安部:理想がね、大事だよね。けどさ、憲法ってさ、理想のこと書いた法律なのに、「現実に合ってないから変えろ」とか言う人、多いよねー。
---多い多い。現実に合ってないから、意味あるのにね。そういうふうにしようって努力してくことが。
安部:あれさ、絶対おかしくない? 国の目標とかって理想やん? それに近づける努力するのが政治家だしさ。それを、現実のほうに法律を近づけるとか、簡単すぎて誰だってできるし、ぜんぜん意味ないよね。
---うん、根本的に間違ってるよねぇ。まあ、私たちのほうは、失敗も繰り返すし、やりたいって思ったことの半分もなかなか実現できなくて、しかも常にお金がない(笑)
安部:わはは。もうしょうがないね、それは。
---しかも今んとこまだ数もすくないけど、今を、変えていきたいわけだから当たり前だよね。この大変さが味わい深いよね。
安部:そうそう。なんかそういうのを話すと、自分だけじゃないって思うから元気出るから。似た考えの人といると落ち着くし、また頑張ろうと思いますね。
---うん。私もますます頑張っていこーって気持ちです。今日はどうもありがとうございました。 また大分でも会いましょう。

■このインタビューは、2006年8月1日に東京・新宿で収録しました。
インタビュー&まとめ:八尋麻子